今回はダイビングの計画で重要なエア・マネージメント(残圧管理)について分かりやすく解説します。
エア・マネージメントとはダイビングで消費する空気量を計算して、安全にダイビングを終了するための計画を立てる方法です。
ダイビングはライセンスを取得するとライセンスを持っているもの同士でバディ(ペア)を組んで2人でダイビングを楽しむことが可能になります。バディとペアを組んでダイビングすることをバディ潜水と言います。
しかし、ほとんどの場合はダイビングショップに申し込んで現地のダイビングガイドのインストラクターに引率してもらいダイビングを楽しむことが多いです。特に日本国内ではバディ潜水は普及していません。
記事の内容は「エア・マネージメントとは?」、「エア・マネージメントの計画方法」、「エアがなくなってしまった場合の対処」、「エア・マネージメント(残圧管理) まとめ」に分けて紹介します。
ダイビングのエア・マネージメントはとても重要です。エア・マネージメントを知らないとバディとダイビングを楽しむことができません。又、インストラクターに任せたままでは自立したダイバーとは言えません。
この記事を読むことによってエア・マネージメントを理解して、ダイビングで消費する空気量を計算して安全にダイビングを終了するための方法を実施できるようになります。
エア・マネージメントとは?
エア・マネージメントとはダイビングで消費する空気量を計算して、安全にダイビングを終了するための計画を立てる方法です。
ダイビング中、自分の残圧は自分自身で管理しますが、バディやチームと情報を共有する必要もあります。空気の消費量は人によって異なるのでしっかりと情報を把握することが大切です。
何人かでダイビングしていれば空気の消費が速い人と遅い人が分かれてくるからです。ダイビングの最初から最後まで、バディと残圧情報をやり取りして消費が1番早いダイバーの残圧にあわせて戻り始めます。
また、バディやチームの中でサイズの違うタンクを使用していたり、ダイビング開始前のタンクの残圧に違いがある場合もあります。それぞれで空気量に違いがある場合は最も少ない空気量のダイバーにあわせてエア・マネージメントを計画します。
エア・マネージメントの計画方法
バディやチームでダイビング前にエア・マネージメントの計画を立てます。ダイビングは深度によって空気の消費量は変化します。又、潮の流れによっても移動距離は変化します。
仮に、深度変化が少なく潮の流れもほとんどないダイビングスポットでエア・マネージメントの計画を考えます。
例えば、バディと同じタンクのサイズ10Lで開始時の圧力は同じく200barとします。予備の分としてダイビングの終了時に50barほど残す計画を立てます。次に安全停止のときに使う空気を考えて20barとします。
予備の分と合わせて70barを残してボートの下やエントリー地点に戻ることを考えます。
- 50bar(予備の分)+20bar(安全停止)=70bar
ダイビング開始時の圧力からこの70barを引いた数字がダイビングの移動中に使える空気量になります。開始時の圧力が200barであればダイビングの移動中に使える空気量は130barになります。
- 200bar(開始時)-70bar(予備の分+安全停止)=130bar(使える空気量)
単純に考えると半分を行きに使い、残りの半分を帰りに使います。バディのいずれか一方が65barを使った時点で方向転換して帰り始めなくてはいけません。ダイビングの状況によってさらに控えめにすることもあります。
開始時の圧力からこの65barを引けば残圧がいくつになったら帰りに始めなくてはいけないのかがわかります。バディのいずれか一方の残圧計が135barになった時点で方向転換することになります。
- 200bar(開始時)-65bar(使える空気量の半分)=135bar(ターン・プレッシャー)
バディと話し合って残圧がいくつになったら帰り始めるかを決めます。帰り始める圧力をターン・プレッシャーと言います。
残圧が135barで方向転換すると帰りの分は65barです。ボートの下やエントリー地点に戻ってきた時点で70barが残っていることになります。安全停止をして20barを使い、エキジットした時点で50barが予備の分として残っていることになります。
エアがなくなってしまった場合の対処
トラブルが起きてボートの下やエントリー地点に戻るのが遅れたり、いつもより多く空気を使ったとしても控えめなエア・マネージメントの計画を立てていれば安全に戻ることが可能です。
ボートの下やエントリー地点に戻ってくる前に予備の分の50barになってしまったらダイビングは中止して浮上するようにして下さい。浮上してスノーケルを使えば、予備の分の50barを残したまま戻ることが可能です。
絶対にバディに予備の空気減のオクトパスをもらいながらボートの下やエントリー地点に戻ろうししてはいけません。予備の分が50barのエア・マネージメントではバディの空気もなくなる可能性があります。
洞窟の中や沈没船の内部を探検するテクニカルダイビングではすぐに浮上することができません。バディに予備の空気減のオクトパスをもらいながら、エントリー地点まで戻るための計画を立てることになります。
テクニカルダイビングのエア・マネージメントではさらに控えめな1/3ルールという方法で安全なダイビングの計画を立てます。
エア・マネージメント(残圧管理) まとめ
今回はダイビングの計画で重要なエア・マネージメント(残圧管理)について分かりやすく解説しました。
エア・マネージメントとはダイビングで消費する空気量を計算して、安全にダイビングを終了するための計画を立てる方法です。
例えば、バディと同じタンクのサイズ10Lで開始時の圧力は同じく200barとします。予備の分としてダイビングの終了時に50barほど残す計画を立てます。次に安全停止のときに使う空気を考えて20barとします。
ダイビング開始時の圧力からこの70barを引いた数字がダイビングの移動中に使える空気量になります。開始時の圧力が200barであればダイビングの移動中に使える空気量は130barになります。
単純に考えると半分を行きに使い、残りの半分を帰りに使います。バディのいずれか一方が65barを使った時点で方向転換して帰り始めなくてはいけません。帰り始める圧力をターン・プレッシャーと言います。
ボートの下やエントリー地点に戻る前に予備の分の50barになってしまったらダイビングは中止して浮上するようにします。
ダイビングのエア・マネージメントはとても重要です。エア・マネージメントを知らないとバディとダイビングを楽しむことができません。又、インストラクターに任せたままでは自立したダイバーとは言えません。
この記事を読むことによってエア・マネージメントを理解して、ダイビングで消費する空気量を計算して安全にダイビングを終了するための方法を実施できるようになります。