写真 : 1947年に沈んだ木造の帆船「古宇利丸」

沖縄のドライブコースで有名な「古宇利大橋」は今帰仁村の古宇利島と名護市の屋我地島を結ぶ全長1,960mの橋で2005年2月8日に開通しました。当時、沖縄県内では1番長い橋として注目を集めました。古宇利大橋の両側にはエメラルドグリーンの海が広がり、絶景のドライブコースとなっています。

古宇利大橋の開通前は今帰仁半島の運天港と古宇利港の間を古宇利連絡船の「古宇利丸」が人々の移動や物資の運搬として利用されていました。今回の調査ダイブの「古宇利丸」は古宇利大橋の開通よりもはるか昔、1947年にとても悲惨な転覆事故で沈んだ木造の帆船になります。

今回は、古宇利丸のダイビングポイント、古宇利丸の転覆事故、犠牲者を悼む「慈魂碑」、生き残った方の声、古宇利丸の沈んでいる場所について記載します。古宇利丸(古宇利連絡船)のダイビングスポットは興味本位ではなく、慰霊の気持ちを持ってダイビングするようにして下さい。

古宇利丸のダイビングポイント

「古宇利丸」は1947年に沈んだ木造の帆船で全長は不明ですが約30M前後かと思います。古宇利丸のダイビングポイントは水深12M前後になります。透明度はほとんどの日が10M以下になります。

古宇利丸には長い年月をかけて珊瑚が群生して、デバスズメダイやミスジリュウキュウスズメダイの魚の住処になっています。沈没船が好きな方や古宇利島の歴史を学びたい方におすすめのダイビングポイントになります。
 

エモンズ(USS Emmons)は第二次世界大戦末期の1945年4月7日に沈んでいます。古宇利丸とエモンズ(USS Emmons)は同じ時代に沈んだ船になります。木造の船は軍艦とは違う神秘的な魅力を感じさせます。古宇利丸の周囲は砂地のため、これから長い年月をかけて砂に埋まっていくことになると思います。

古宇利丸の転覆事故について

古宇利丸(古宇利連絡船)は終戦から2年後の1947年10月1日に転覆事故で沈みました。今帰仁村の古宇利島から出港して、その日は今帰仁村陸上競技大会に参加する予定だった児童生徒や教員が乗船していました。陸上大会の参加者や応援のために定員オーバーの100人の島民でひしめき合っていました。

島を出港した船は午前7時40分、今帰仁側の岸の近くで古宇利丸は転覆してしまいます。泳いで岸まで渡った人や、多くの漁師が島からサバニで駆け付けましたが、10人が転覆事故のために亡くなりました。

2015年10月1日には古宇利丸(古宇利連絡船)の転覆事故で亡くなった犠牲者を悼む「慈魂碑」が古宇利橋詰広場に完成しました。

慈魂碑には「1947年10月1日午前7時40分頃今帰仁村陸上競技大会の日、渡し船が転覆し、10名の犠牲者が出る。慈しむ乙女10人の御霊に哀悼の意を捧げる」として10名の犠牲者の氏名が書かれています。

以下、琉球新報の「古宇利連絡船転覆から68年　念願の慰霊碑に祈り」からの引用になります。

古宇利丸の沈んでいる場所

古宇利丸(古宇利連絡船) まとめ

当時、古宇利丸(古宇利連絡船) は今帰仁村の古宇利島と沖縄本島の今帰仁村を繋ぐ連絡船でした。古宇利丸(古宇利連絡船)は終戦から2年後の1947年10月1日に悲惨な転覆事故で沈みました。古宇利丸(古宇利連絡船)のダイビングスポットは興味本位ではなく、慰霊の気持ちを持ってダイビングするようにして下さい。
 

古宇利丸(古宇利連絡船) の転覆事故で亡くなった犠牲者を悼む「慈魂碑」は古宇利橋詰広場にあります。ダイビングの前後に訪れるようにしましょう。古宇利港から徒歩で行くことが可能です。

当スクールではエモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船のオプションとして3ダイブ目でリクエスト可能です。又、古宇利丸(古宇利連絡船) のダイビングスポットは漁業の関係で毎年8月~11月はご案内できません。
 

エモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船