近年、スキューバダイビングによる海難事故が相次いで発生していることを踏まえ、国土交通省ではダイビング船の安全対策検討委員会を発足して、「ダイビング船の安全対策ガイドライン」を2025年7月24日公表しました。
このガイドラインは、ダイビング船の船長をはじめ、ダイビング事業者やダイバー等関係者が取組むべき安全対策を、全国共通のベースラインとして、ハード・ソフトの両面から総合的にとりまとめたものです。
Cカード協議会の調査結果では国内でのエントリーレベルのダイビングライセンスの発行枚数は2024年で29797人になりました。同じく2024年に活動しているインストラクターの人数は8845人です。
※Cカード協議会は日本国内の主要なCカード発行組織14社によって構成されている団体です。
ネットニュースなどの報道でスキューバダイビングの事故の記事を見かける機会も増えてきました。しかし、この記事ではネットニュースなどの報道で事故の考察をして意見を書くことはしません。
事故の報道はあくまでも一部の情報のみになります。そして真実を伝えるのが目的ではなく、アクセスを集めるのが目的です。偏った一部の情報だけを考察しても意味がありません。
今回の記事では近年に日本全国で発生したスキューバダイビングの事故の報道をまとめていきます。沖縄県のダイビング事故は別ページで以下の記事にまとめています。
ダイビングショップの記事としては避けた方が良い内容かもしれません。今回は個人の現地ダイビングガイドとして、これからスキューバダイビングを考えている方の安全に繋がればと思います。
最終更新 2025年08月20日
2025年のスキューバダイビング事故
夫婦でダイビング中に行方不明になった57歳女性を発見も死亡
静岡県西伊豆町の海水浴場でダイビングをしていて行方がわからなくなっていた57歳の女性が海水浴場の沖合で見つかり、まもなく死亡が確認されました。
8月16日、西伊豆町宇久須の黄金崎海水浴場で夫とともにダイビングをしていた神奈川県横浜市の女性(57)の行方がわからなくなりました。警察などによると、夫が先に陸へ上がったものの女性が戻ってこないことを心配してダイビングショップに助けを求めたということです。
海上保安部などが捜索を続けていたところ、8月19日午後3時過ぎ、民間のダイバーが海水浴場から500メートルほど離れた沖合の海中で女性を発見しましたが、その後、死亡が確認されました。
TV静岡 2025年8月20日 引用
40代女性か…スキューバダイビング中に意識不明で救急搬送
12日静岡県伊東市の海でスキューバダイビングをしていた40代とみられる女性が溺れ意識不明の重体です。
12日午後3時すぎ伊東市の富戸漁港の沖合で「女性が溺れているようだ」と119番通報がありました。
警察によりますと女性は40代とみられ、沖合およそ50メートルの辺りでインストラクター付きのスキューバダイビングをしていましたが、何らかの原因で意識不明になり、病院に搬送されました。警察が詳しい状況を調べています。
富戸漁港周辺では7月20日にもインストラクター付きのダイビングをしていた30代の女性が海底で意識がない状態で見つかっています。30代の女性はその後意識が回復しています。
静岡朝日TV 2025年8月12日 引用
ダイビング中に一時行方不明の10歳女児が死亡
30日午後0時45分ごろ、愛媛県今治市吉海町名駒の海でスキューバダイビング中に同市の女児(10)が一時行方不明になった事故で、女児は搬送先の病院で死亡が確認された。
今治海上保安部によると、午前11時ごろからインストラクターと親族ら計4人でスキューバダイビングをしていた。午前11時55分ごろ、女児が浮上して声を発した後、沈んで行方不明となったため、海岸で見ていた親族が119番した。女児は意識不明の状態で浮いているのが見つかった。
現場は瀬戸内しまなみ海道が通る瀬戸内海の大島で、岸から約10メートル離れていた。
産経新聞 2025年7月30日 引用
千葉 館山 沖合でダイビング中の女性が死亡 溺れたか
27日午前、千葉県館山市の沖合でダイビングをしていた49歳の女性が意識不明の状態で海面に浮かんでいるのが見つかり、病院に搬送されましたが死亡しました。
千葉海上保安部は女性が溺れたとみて詳しい状況を調べています。
27日午前11時ごろ千葉県館山市伊戸の沖合でダイビング船の船長から「ダイビングをしていた女性が溺れて意識がない」と消防に通報がありました。
千葉海上保安部によりますと、女性が意識不明の状態で海面に浮かんでいるのを一緒にいた兄が発見して救助し、病院に搬送されましたが、およそ2時間半後に死亡が確認されました。
死亡したのは、マレーシア国籍の49歳の女性で、兄やほかの客とともに伊戸漁港からおよそ500メートルの沖合でダイビングをしていたということです。
海上保安部は女性が溺れて死亡したとみて詳しい状況を調べています。
NHK 2025年7月27日 引用
スキューバダイビング中の30代女性 意識不明で発見
静岡県伊東市の富戸漁港付近でダイビングをしていた30代の女性が意識不明で見つかり、救急搬送されました。
警察によりますと、20日午後2時すぎ「富戸漁港でダイビング中の事故があった」と消防から連絡がありました。事故があったのは、伊東市の富戸漁港の沖合およそ50mで、スキューバダイビングをしていた30代の女性が、意識がない状態で見つかり、救急搬送されました。
駆け付けた警察官が聞き取った関係者などの話によりますと、女性はインストラクター付きのダイビングに申し込み、複数人で富戸漁港の沖合でスキューバダイビングをしていましたが、午後1時30分すぎに行方が分からなくなり、探したところ海底で意識がなくなっていた女性が見つかったということです。女性は神奈川県内の病院に搬送され、警察に入った病院からの連絡によりますと、女性は現在意識があるということです
警察などが当時の詳しい状況などを調べています。
静岡朝日TV 2025年7月20日 引用
客とダイビング中にインストラクター男性が海底で発見され死亡
和歌山県白浜町で、客とダイビング中に大阪市のインストラクターの男性(39)が、海底で沈んでいるのがみつかり、その後死亡が確認されました。男性は何らかの理由で溺れた可能性があるとみて、田辺海上保安部は当時の状況を調べています。
13日午前11時15分ごろ、白浜町の沖合でダイビング店のスタッフから「ダイビング中に1人が心肺停止となっています」と118番通報がありました。
田辺海上保安部によりますと、白浜町にあるダイビング店が所有するボートで大阪市城東区に住むインストラクターが客2人と13日午前10時ごろからダイビングを行い、午前11時ごろ、水深5mの地点で減圧のため安全停止を行った後、船へ上がって来なかったということです。
不審に思った他のスタッフが、海中を捜索したところ、水深約30mの海底で倒れているのが発見されました。心肺停止の状態で病院へ搬送されましたが、その後死亡が確認されました。
当時一緒にいた客は先に船へ上がり無事でした。
目だった外傷がないことから、何らかの理由で海中で溺れた可能性があるとみて、田辺海上保安部は司法解剖を行うなどして、亡くなった原因について調べる方針です。
MBSニュース 2025年7月13日 引用
2024年のスキューバダイビング事故
ダイビング中の千葉県の男性(70)救助されるも病院で死亡
30日昼ごろ静岡県伊東市の沖合でダイビング中の70代男性が死亡しました。
下田海上保安部によりますと、30日正午ごろ伊東市の伊豆海洋公園の沖合から50メートルほどの海上で、ダイバーが仲間に救助されているのを、公園で水難救助の講習をしていた海上保安部の職員が目撃しました。
救助されていたのは千葉県の70歳の男性で、職員らによって引き上げられましたが、心肺停止の状態だったということです。男性は病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。男性は複数人でダイビングをしていて、その中にはガイドもいたということです。
当時の天候は晴れで気温は14℃、西南西に6メートルの風が吹いていました。海上保安部は事故原因を調べるとともに、ダイビングをするときは必ずバディを組むことや、最新の天気や海の状況を確認してほしいと呼びかけています。
産経新聞 2024年11月30日 引用
伊豆大島でダイビングをしていた40代の男性が死亡
28日午前、東京都の伊豆大島秋之浜付近でダイビングをしていた40代の男性が行方不明となりその後、現場近くの海底で発見されましたが、死亡が確認されました。
下田海上保安部によりますと、28日午前9時過ぎ東京都の伊豆大島秋之浜付近で「友人が行方不明になった」と一緒にダイビングをしていた友人から海上保安庁へ118番通報がありました。
救助には下田海上保安部の「巡視艇いずみな」や漁船などが現場へ急行し行方不明となった付近の海域を捜索した所、午前11時半ごろ民間のダイバーが海底から男性を発見しました。
男性は病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
下田海上保安部によりますと、死亡した49歳の男性は友人6人とダイビングをしていて開始からおよそ1時間後には行方が分からなくなったという事です。
Daiichi-TV 2024年9月28日 引用
海でダイビング体験中、親子2人溺れ51歳父親が死亡
4日午前11時25分頃、和歌山県串本町串本の沿岸で、ダイビングの体験中だった親子2人が溺れ、父親の会社員中田宏厚さん(51)(岡山県倉敷市)が死亡した。高校生の長男(15)は意識が混濁した状態で救急搬送され、その後回復した。付き添いのインストラクターが2人を一時見失ったといい、県警が経緯を調べている。
発表では、現場は浜から約20メートル先で、深さ約3~5メートルの海中。当時、波や風は穏やかだった。インストラクターは1人で、中田さんの次男を含む家族3人を指導していたという。
串本町沿岸は本州最南端にあり、国内屈指のダイビングスポットとして知られる。
讀賣新聞 2024年8月04日 引用
海外で発生した日本人のスキューバダイビング事故
バリ島沖ダイビング事故、船長に求刑3年6月
インドネシア・バリ(Bali)島沖で今年2月、スキューバダイビングをしていた日本人女性7人が行方不明になり、うち2人が死亡した事故をめぐる裁判で現地検察当局は、女性たちを海上に置き去りにしたとして業務上過失致死に問われている船長に対し、禁錮3年6月を求刑した。
7人が利用した船の船長だったアグスティヌス・ブラタ・クスマ(Agustinus Brata Kusuma)被告は2月14日、バリ島付近で突然嵐に見舞われた際、女性たちを見失った。同被告はこれまでに、1時間ほど女性たちを探した後、燃料補給のために現場を離れたことを認めている。
アグスティヌス被告は、この女性たちが参加したツアーを企画したバリ島のダイビング会社イエロー・スキューバ(Yellow Scuba)に勤務していた。
裁判では、救出された女性たちのうちインストラクターの古川さおり(Saori Furukawa)さんが、信号弾で船長に合図をしようとしたが届かなかったことなどを証言した。古川さんは救助された後、天候が急変し「海面が洗濯機の水流のように回りだして流された」と記者会見で伝えている。
AFPBB News 2014年6月24日 引用
スキューバダイビングの事故・まとめ
今回の記事は過去の新聞やネットニュースの内容をまとめています。スキューバダイビングの事故がなくなるように少しでも役に立てればと思います。安全は何よりも優先されます。安全を最優先にしてスキューバダイビングを楽しむようにしましょう。
スキューバダイビングでは、海況が悪化して危険を感じたら中止にするようにして下さい。体調不良も事故の原因になります。体調が良くないときは無理しないようにして下さい。又、ダイビング器材のメンテナンスも重要です。
そして、必ず単独は避けてバディを組むようにして下さい。緊急時のことを考えて、緊急アシストプランを作成して、緊急用の浮具や緊急用酸素、携帯電話も持ち運ぶようにして下さい。
スキューバダイビングは無理をしないで体調を整えて、ルールを守ればとても安全なスポーツです。ダイバーの一人一人が意識して安全管理を徹底しておこない事故を無くすように心がけましょう。
#ダイビング事故 #スキューバダイビング事故