テクニカルダイビングは海外では人気のある最も新しい魅力の高いダイビングスタイルのひとつです。日本は海外に比べるとテクニカルダイビングでは遅れている発展途上国になります。国内でテクニカルダイビングをこれから始めるダイバーにとって、正しい知識とトレーニング、そして経験を積むことは、とても重要です。事故を未然に防ぐことが可能になるからです。
以下の項目では、テクニカルダイビングとは何なのか?、テクニカルダイビングの歴史や指導団体、テクニカルダイビングのライセンスコースをご紹介していきます。まだまだ情報が少ない、テクニカルダイビングの始め方やテクニカルダイビングのコース内容が分かるようになります。
テクニカルダイビングとは?
写真 : 沖縄太平洋戦争の沈没船 USSエモンズ
テクニカルダイビングとは、頭上が覆われた洞窟(ケーブ)へのダイビングや沈没船の内部へ進入したり、混合ガスや減圧停止を使い、水深40M以上の大深度潜水のダイビングを楽しむことが可能なレクリエーショナルダイビングの範囲を超えたダイビングスタイルです。日本国内は残念ながら海外と比べるとテクニカルダイビングの発展途上国になります。日本国内では誤解が多く、危険なイメージがあり、レジャー(遊び)の範囲を超えた専門的なイメージがあるのが現状です。
しかし、ダイバーなら誰もが、幻想的な光が差し込む洞窟に行ってみたい、沈没船の内部に入ってみたい、いままでよりも、もっと深くへダイビングしてみたいという冒険心を持っていると思います。事実、沖縄や世界各国のメジャーなダイビングスポットには水中洞窟や内部に進入できる沈没船などを楽しむスポットが数多く存在します。又、ダイバーのなかには水深40Mを超えた経験がある方もいると思います。
レクリエーショナルダイビングの指導団体はそれらのダイビングを制限しています。トレーニングの内容にも入ってなく、知識も経験もないダイバーが楽しむのはとても危険です。一般的にCカードを取得すると「オープンウォーター」のライセンスになります。この、オープンウォーターの意味は水面が開放された海域ということを指します。インストラクターもオープンウォーターインストラクターになります。
正しく伝えたいのは、テクニカルダイビングはレジャー(遊び)の範囲で安全に一般人がダイビングを楽しむことができる最先端の素晴らしいダイビングスタイルということです。
テクニカルダイビングの歴史
画像引用 : IANTD、GUE、ANDI、TDI、IART
テクニカルダイビングは、1950年代より行われていた、水面まで浮上することのできない洞窟(海中鍾乳洞、泉なども含む)や沈船などのオーバーヘッド環境(閉鎖環境)の潜水技術や知識を元にして、1980年代にそれまで研究されてきた混合ガス潜水技術がレジャー(遊び)に進出を実施して、当時のケーブダイバー達により、それまで楽しむことができなかった大深度潜水(水深40mから100m程度まで)を安全に出来るよう体系化されたレジャー(遊び)ダイビングです。
その後、同じ1980年代にはIAND(現IANTD、国際ナイトロックステクニカルダイビング協会)、PSA (現PSAI、国際プロフェッショナル潜水協会) などのテクニカルダイビング指導団体が設立され、1990年代にはANDI(米国ナイトロックス潜水協会)、TDI(国際テクニカルダイビング)、IART(国際リブリーザートレーナー協会)が設立されました。
日本国内には1997年にTDI(国際テクニカルダイビング)、IANTD(国際ナイトロックステクニカルダイビング協会)、ANDI(米国ナイトロックス潜水協会)の各日本支部が設立されました。
テクニカルダイビング指導団体
テクニカルダイビングの指導団体では、オーバーヘッド環境(閉鎖環境)や減圧(仮想閉鎖環境)のダイビングのために必要なダイビング器材やトレーニングと知識を学ぶことができます。
レジャーダイビングやスポーツダイビングと呼ばれる一般人が楽しむことができるダイビングの一つのカテゴリーであり、レクリエーショナルダイビングとは区別されます。現在、テクニカルダイビングは、全てのレジャーダイビングの安全管理の基礎になっていて、数多くのテクニカルダイバーは各レクリェーショナルダイビング指導団体のトレーニング部に所属もしくは顧問をしています。
現在、海外・国内でライセンスカードを発行しているテクニカルダイビング指導団体には以下の団体があります。
- IANTD 国際ナイトロックステクニカルダイビング協会
- GUE 全世界水中探検会
- TDI 国際テクニカルダイビング
- IART 国際リブリーザートレーナー協会
- ANDI 米国ナイトロックス潜水協会
当スクールでは、IANTD、TDI、IARTの各テクニカルダイビング指導団体のトレーニングを積んだインストラクターが在籍しています。テクニカルダイビングの指導団体について、詳しくはテクニカルダイビング指導団体についてをご覧ください。
テクニカルダイビングのライセンス
テクニカルダイビングに興味のある方は是非、当スクールまでお問合せください。各コースのインストラクター資格を持つテクニカルダイバーをご紹介することが可能です。
オープンサーキット
- イントロテック (入門編)
- サイドマウント (シリンダーを脇からぶら下げるスタイル)
- DPVダイバー (水中スクーター)
- ナイトロックス (22%から40%までのナイトロックス)
- アドバンスドナイトロックス (40%から100%までのナイトロックス)
- 減圧手順 (減圧停止を使用した潜水)
- エクステンディッドレンジ (水深55Mまでの潜水)
- トライミックス (ヘリウム使用・水深60Mまでの潜水)
- アドバンスドトライミックス (ヘリウム使用・水深100Mまでの潜水)
リブリーザー
- セミクローズドリブリーザー
- エアデュリエントCCR
- 減圧エアデュリエントCCR
- ミックスガスCCR
- アドバンスドミックスガスCCR
※SCR=セミ・クローズド・リブリーザー
※CCR=クローズドサーキット・リブリーザー
オープンサーキット
- カバーン (洞窟内)
- イントロケーブ (洞窟内)
- フルケーブ (洞窟内)
- ケーブ測量ダイバー (洞窟内の測量)
- DPVケーブダイバー (洞窟内・水中スクーター)
- ステージケーブダイバー (洞窟内)
- アドバンスドレック (沈没船の内部侵入・ペネトレーション)
- マインダイバーⅠ (鉱山など人工の地下)
- マインダイバーⅡ (鉱山など人工の地下)
リブリーザー
- CCRカバーン (洞窟内)
- CCRイントロケーブ (洞窟内)
- CCRフルケーブ (洞窟内)
※CCR=クローズドサーキット・リブリーザー
- ナイトロックスガスブレンダー
- アドバンスドガスブレンダー
- 酸素器材サービステクニシャン
- ダイバー
- ダイブマスター
- インストラクター
- インストラクタートレーナー
テクニカルダイビングのまとめ
テクニカルダイビングの中でも洞窟(ケーブ)ダイビングは、レクリェーショナルダイビングより古くからはじまり、レジャーダイビングの原型となっています。
日本国内には、自分が知らないテクニカルダイビングの世界を否定する人、もしくはテクニカルダイバーの中にも、自分の凄さを誇示するために誤解を生じるようなことを話す人もいるのかも知れません。しかし、テクニカルダイビングはダイバーが本来持つ、冒険心や探検心を満たしてくれる最先端の遊びです。
正しいテクニカルダイビングの知識、経験、技術はダイビング全般の安全管理に繋がります。正しく学び、どんどん遊びの幅を広げていきましょう。
テクニカルダイビングを本格的に考えている方、テクニカルダイビングが気になっているけど自分のスキルではまだ早いと考えている方、テクニカルダイビングって何?と思っている方も、当スクールにお問合せ下さい。ダイバーの方のスキルに合わせて、サポートが可能です。